果物をいっぱい食べたい

統計、機械学習周りの勉強や提案やOSS開発の記録

2020-01-01から1年間の記事一覧

g-estimation を推定方程式で定式化するまでの行間を埋めてみる

本記事では、 g-estimation でパラメータ推定を行う際に推定方程式を用いる方法について説明します。what if book の14章で紹介されている話の一部を深く掘り下げていきます。 記事のゴール 新規性 前提知識 what if book の g-estimation のおさらい SMMの…

Marginal Structural Model のパラメータ推定に重み付き最小二乗法を用いることの正当性

本記事では、 Marginal Structural Model (MSM) のパラメータ推定に重み付き最小二乗法 (IP-Weighted Least Squared method; IP-WLS method) を用いることの正当性についての解釈を試みます。what if book の12章で紹介されている話の一部を深く掘り下げてい…

もし一般企業のデータ分析者がはなおでんがんの「最強の勝負めし分析」企画をやったら

これまでの記事では因果推論の真面目な話を書いてきましたが、今回は趣向を変えてポップなパロディ企画をやります。 記事の概要 ひとことで言うと、タイトルの通り、はなおでんがんさん(以下「はなでんさん」と略します)の動画 【全200試合】藤井七段の勝…

IPW 推定量の漸近分散についての補足

過去の記事の中で、 IPW の漸近分散について、以下の主張を行っていました。 よって、 Potential outcome の符号が等しければ右辺が0以上になり、「Horvitz-Thompson estimator より Hajek estimator の方が漸近分散が小さい」という主張が成立すると考えら…

因果推論における standardization と parametric g-formula の関係性

過去の記事では、因果推論の中で重要な手法の一つである IPW の概要や疑問点について整理してきました。 今回は、 IPW と双璧をなす重要な手法である Standardization(標準化) について簡単に紹介します。 これまで同様、what if book を中心に議論してい…

色々なIPWの整理 〜 Stabilized weights の使い所 〜 (2)

前回の記事に引き続き、 IPW についての連載第2弾です。 今回も what if book を中心に議論していきます。 目次はこちらです。 記事のゴール 新規性 前提知識 IPWの目的 what if book の2章の紹介 2章の主張への疑問点 what if book 12.3 節の紹介 色々な擬…

色々なIPWの整理 〜 Causal inference: what if の12章を中心に 〜 (1)

Hernan and Robins によって書かれた因果推論の本(本記事では "what if book" と呼びます。著者のサイト にPDFが無料で公開されています)を読んでいく中で、IPW (Inverse Probability Weighting; 逆確率重みづけ) 周りの細かいところを整理するのが難しい…

調査観察データの統計科学 3.1の行間メモ

星野先生によって書かれた調査観察データの統計科学(以下本書と呼ぶ)を読んでいて、3.1節の式の導出に少し困ったので、メモを残します。 脚注に書いてある通り、厳密な証明は見つけられていないので、知見のある方はご指摘いただけると幸いです。 調査観察…